過去のローカルな話ですが、
中学も高校も、自宅から10キロほど離れた学校に自転車で通っていたので、
行きはともかく、帰りはほぼ毎日、どこかに寄り道していました。
でも、実際の行き先が、中高生ごときにそんなにたくさんあるわけではない。
友人宅でしゃべるか、そうでなければ本屋かあるいは公立の図書館に行くか、
ほとんどそのどちらかでした。
本屋も次第にラップで包んだりして立ち読みをさせてもらえないようになり、
そうなるともう、ある意味で必然的・消去法的に
長時間とどまって「休憩」できる場所は、公立の図書館しかない、
という状況に追い込まれていきました。
冒険するタイプではないので、
学校と自宅を結ぶ直線から遠く離れたところまで飛び出していく勇気はない。
実際の行き先は、(以下すべて「岡山市立」)
中央図書館、幸町図書館、浦安総合公園図書館のどれかでした。
それはまさに、ぼくにとっては「帰路の休憩所」以上でも、それ以下でもありませんでした。
今さら文句を言いたいわけではないんですが、
「知的好奇心」を刺激してやまないキラキラ輝く本が立ち並んでいたわけではないです。
ぼく的には、本を読んでいるふりして休憩させてもらっているだけでしたので、
なるべく見た目が格好いい装丁の本を選ぶ傾向がありました。
そういうのをデンと机の上に置き、読むというより眺めているのが好きでした。
そういう「偽装用アイテム」として、ぼくがよく使わせてもらったのは、
『三島由紀夫全集』でしたね。
字をおっかけても全く頭に入らないし、興味もわかないんですけどね。
司書さんの目からはどんなふうに見えてたんでしょうね。
毎日のように汗だくで図書館に駆け込み、『三島由紀夫全集』を耽読している高校生。
思い出すだけで笑えますね。
つまらない話ですいません。