【片思い】
片思いかもしれないが、昨年3月に転任してきたばかりながら、足立梅田教会に来てよかったと思っている。初代牧師は生涯「補教師」だったためご自身で聖礼典を執行なさったことがない。青山学院高等部の聖書科教員としてご勤務されながらご自宅を教会になさった。教会創立は1953年9月。今秋創立72周年。
初代牧師の在任期間はトータルで35年。創立72周年の教会の歩みの半分。その間にしっかり土台が据えられた。それでいて前記の理由から初代牧師は教会のどなたにも洗礼をお授けにならなかった。それと教会として戦前の教団合同前のどの旧教派の系譜にもない。どの教団内旧教派グループの傘下にもいない。
私の出身教会も、私が過去に働いた教会のうち1つを除いてすべても戦後開拓教会だった。旧教派縛りに馴染みがない。私には日本基督教団の教師であること以外の標識は無い。どことでも誰とでも協力関係を結べる。何の妨げもない。こういう教会が珍しいかどうかは分からないが、私にはたぶん合っている。
ファン・ルーラーは改革派神学者だが、全キリスト教の一部ではなく全キリスト教を継承する「改革された公同教会」(ecclesia catholica reformata)に属していると考えていたので、古代教父から現代神学者までのだれからでもどこからでも引用できた。スイカの細切りではなく丸ごと一個抱えるから強い。
何度となく書いたが、私にはこの人の教えを受け継いでいると言える先生がいない。指導教授は2つの神学校でそれぞれ1人ずつお世話になったし、あからさまに反抗したことはないが、ファン・ルーラーの言うことのほうが正しいと思うので距離がある。おふたりとも80代になられた。敬意を忘れたことは無い。