2008年2月24日日曜日

読書を再開しています

気力というのは恐ろしいものがあります。体調を崩すなどしてそれを失うというか減ってしまうというかの体験をすると、気力というものの存在の大きさを感じます。勢いよく書いてきた日記が、思うように書けなくなりました。言葉があふれてこないというか、物事を考えること自体がちょっとおっくう。お腹の風邪は治ったものの、のどや鼻に痛みがあり、薬を飲んでいることも関係してか、一日中ボーっとした感じが続いています。「気力を失った」と感じるとき、とくに「言葉を失った」と感じるときは、本を読むことにしてきました。とくに日曜日の夜、なかでも説教があまりうまくいかなかったと感じる日、また教会や中会や大会などの会議の席で何らかのトラブルめいたやりとりがあって腹の虫が治まらないとき、などなど。そういうときに限って猛烈に本を読みたくなります。「言葉を失った」ので「言葉をかき集め、不足を補い、蓄える」ために本を読む。とても単純な話です。こんな単純なやり方でけっこう回復してしまう私は、人間の造りが単純なのでしょう。ものすごく腹が立つような出来事があってイライラ、ムカムカしている日の夜などに限って、オランダ語の神学書を辞書と首っ引きで読んでいたりします。あまりに没頭しすぎて、気がつくと次の日の朝だったという場合も、しょっちゅうです。今日読んでいたのは、E. コリンスキー編『西ヨーロッパの野党』(清水望監訳、行人社、1998年初版、2004年第三版)です。何ヶ月か前に近くの古本市場で見つけて買いました。なかなか面白い本です。私の恒常的な関心事の一つにオランダのキリスト教政党の動向をウォッチすることがあるのですが、本書にはオランダのキリスト教政党が、特に前世紀後半以降、「野党」になったり「与党」になったりを繰り返しながらうまい具合に世論を「中道化」させ、バランスを保ってきた様子が、短い言葉ながら分かりやすく書かれていました。このような良い本が日本語でたくさん書かれること、また良い日本語に翻訳されることを期待します。「日本にもキリスト教政党が欲しい」と真剣に願っているのは、私だけでしょうか。