2013年7月2日火曜日
価値観の違い
心晴れない事情や悩みを抱え、かつどこにも持って行く場所が無くなり、いわば最後の最後に「教会」に頼ってくださるという方は、いまでも少なからずおられる。
最近もそういう方(面識ない)からのかなり長時間の電話をいただいた。
まあぼくは、口しか動いてないヒマ人なので、けっこう付き合うことはできる。専門的と言えるレベルではないが、ある程度のカウンセリングの手ほどきは受けた。
当然守秘義務があるので、詳しいことは書けない。家庭内の問題についての悩みだ。はっきりいえば「夫婦」の問題だ。
話を聴いているうちに、両者に明確な価値観の違いがあるようだ、しかし、相談者自身はその違いに気づいていないようだ、と分かった。
そのことを率直に告げた。びっくりされたようだったが、感謝してくださった。
参考までに、個人情報に触れない範囲で書いておこう。
価値観の違いとは、お金の使い道の話だ。
どちらかが贅沢をしている、という話ではない。
なるべくお金を使わずに、あるいは、最小限の支出で済ませる方法を考えようともせずに、まるで脊髄反射のように、口を開けば「だったら病院行けば~?」「だったら薬買えば~?」と言いだすことだ。
「その治療代、その薬代は、誰が稼いでると思ってるの?」と言いたい気持ちを飲み込んでおられるのではないか。
いま何時間働いたらいくらもらえるか、分かってるよね。それを病院だ、薬だに使うくらいなら、小さな子どもと貴方のために使ってもらいたい。そう思えるから働けるのに。
仕事で疲れ果てて帰宅して、家で疲れた顔していると「病院行けば~?」「薬買えば~?」「マッサージ行けば~?」
そりゃ相手も腹立ちますよねと、ぼくには思えた。
もちろん病院や薬局が悪いわけじゃなくて(たぶんね)、不況の世の中が悪いのだろうけれど、
まるで脊髄反射的に「病院行けば~?」「薬買えば~?」「マッサージ行けば~?」と言いさえすれば、相手をいたわる善意の言葉をかけている気になれる、世の中の風潮は、何とかしなくてはならないかもしれない。
「教会」は、病院でも薬局でもないし、会社でも学校でもない。
他の牧師たちは全く違うが、ぼくは口しか動いていないヒマ人なので(関グチなだけにね)、
何の役にも立たないし、悩みを抱える人に具体的な問題解決策を提示することすらできそうもない。
ぼくに言えることといえば、病院と薬局とマッサージ室の営業妨害することくらいだな(笑)。