「聖おにいさん」についてぼくは一度もコメントしたことがない、ということに、ふと気づきました。
うちに全巻ありますよ。家族はよく読んでいます。でも、ぼくが最後まで読んだのは第一巻だけだと思います。
腹が立つとか反発したくなるとかは全くないのですが、ぐっと引き込まれて読みふけってしまうような感じでもない。それで、コメントしようと思い立つほどまでのモチベが生まれてこなかったのでしょうね。
そのモチベは今もないです。かろうじて目を通したはずの第一巻をもう一度手にとって開いてみようという気にもなれない。
とか書くと、すぐにでも「趣味・嗜好の違いってことでいいんじゃないの?」と指南されそうですけど、そういうのはイイや(笑)。まあ、そういうことなんでしょうけどね。
ただ、それって、どういう生理反応なんだろうなと、考えてみているだけです。ぼくが「聖おにいさん」に、それほどの興味を持てない理由。
画風も関係しているのでしょうけど、かなり気温低いですよね、あの漫画の世界って。「さむ~い」感じ。いや、「つめた~い」、かな。二人とも汗流したりしているような絵もあったはずですが、それでも寒そう。
全く当てずっぽうですが、それが作者の体温なのかもしれません。
イエスとブッダでしたっけ(どんな呼び方されてましたっけ)、両者を友達付き合いさせて、その二人の姿を、やや遠くから俯瞰する絵を描き続けているわけですよね。どちらにもコミットしない、というスタンスで。
なんかそのへんかなあという気が、今しました。
その、「自分自身はどちらにもコミットしようとしないで、両方を並立的に俯瞰できるスタンスって何なの?」みたいな気持ちが、読んでいるあいだじゅう、ぼくの胸中で騒ぎ続けた感じを、なんとなく思い出しました。
話は飛躍しますが「ワンピース」って、やたら気温高いじゃないですか、コミットメント感ばりばり、という意味で。
あっ、そうか、
「ワンピース」読んでサウナ感味わって、「聖おにいさん」読んで水風呂感を味わえばいいのか。
面白いことをひらめきました。
でも、たぶん、当分の間は、どちらのマンガも読みません。一生読まないかもしれないな。
さすがに、ちょっと年老いすぎました。