2009年10月7日水曜日

過去のもの

「玩具の心」(1983年)



これはたしか高校三年の春から夏にかけての頃、同年九月に行われる学園祭で販売する同人誌『朝日文学』のために書いたものです。当時17歳。部員二名の「文学部」の部長でした。この部と同人誌は長い伝統を持っている由緒正しいものだそうですが(真偽不定)、私の頃は誰も見向きもしないものになり果てていました。それでも、多くの友人が呼びかけに応じて投稿してくれましたし、学園祭では販売のために走り回ってくれました。雑誌に文章を書くとか編集に携わるという仕事をしたのは、これが生まれて初めてです。印刷・製本の費用のために岡山市内のスポーツ用品店はじめいろんなお店から「広告費」を提供していただいたりもしました。どう見ても文章が支離滅裂なのは、登場人物の性格設定上故意にそうしている部分と当時の作文能力の低さに因る部分とが錯綜しているせいです。もちろんこんなもん今更持ち出すとはお前はただのバカなのかと思われること必至であることは分かっていますが(ただのバカであることも自覚していますが)、今読むと《昭和な》雰囲気がよく出ているなと自画自賛(?)できますので、再公開することにしました。



「復活のひかり」(2008年)



あることをきっかけにやむに已まれぬ気持ちが生じたため、なんとなく長編小説にすることをめざしてウェブ上に書き始めましたが、多忙の中あえなく頓挫しました。「自叙伝を書いているのではないか」と誤解され(「誤解」です本当に)、これはヤバいと思ったのもたぶん挫折の理由です。フィクションです、これは(ということにしておきます)。しかし、主人公の「自称『哲学者』」の設定年齢は、たしかに私と同い年です。時代もまさに今。共働きの家庭のなかで夫側が感じるであろう(本当はおそらく決して感じてはならない)《悲哀》のようなものを表現してみたくなったものです。このテーマは私の中で当分失われそうにないので、そのうち衝動的に続編ないし全く新しいものを書きはじめるかもしれません。小説を書くって、本当に難しい!