ポエムの続き。これもフィクション。就寝前の儀式(子どもか)。
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「続・無題(笑)」
関口 康
勝ち負けを決めなくてはならない世界が、とにかく嫌いでした。
何ごとも遅かったので、やんやと急き立てられ、結局中断を余儀なくされました。
かろうじて人並みになれたのは、給食を食べる速さくらいでした。
牛乳を飲む速さまで
競って勝って「へへぇ」という顔をしたがるやつはいました。
勝ちたいとは思いませんでした。どうでもいいわ。
困りはじめたのは、勉強に関する闘争心が皆無であることを自覚した頃です。
それは今も続いています。
競争相手が多そうな分野には手を出さないようになりました。
「ここにはそういう相手はいないだろう」と思うところを探すようになりました。
○ん○くとか、オ○ン○語とか、○ァン・○ー○ーとか。
すべての競争から逃避した結果、
たぶん国内では未開拓の分野に辿り着きました。
「すきま産業」とはよく言ったものです。
「すきま人生」はエキサイティグです!
いま願っていることは競争相手が出てくることです。
そうしたら「どうぞどうぞ」と譲ります。
終生ぼくは楽な人生です。らくちん、らくちん。
(完)