「新約聖書は旧約聖書の巻末語句小辞典にすぎない」
「終末においてイエス・キリストは受肉を解消する」
「共産主義はキリスト教よりもブルジョア的である」
どれも60年くらい前(1950年代~60年代)のファン・ルーラーの発言です。
失言や軽口やジョークではありません。
用意周到に、神学的に徹底的な熟考を経たうえで語られたものでした。
しかし、当時はずいぶん叩かれたようです。
まあ、仕方ないですね。
彼はもちろんこれらのことを意図があって言っています。
ある特定の言説に対する明確な批判をこめて、これらの命題を主張しました。
60年前のオランダにインターネットがあったら、
ファン・ルーラーのブログやツイッターは
しょっちゅう「炎上」していたことでしょう。
最近は「炎上ビジネス」というのもありますね。
でも、ファン・ルーラーは、その種の悪どい仕掛け人ではありませんでした。
1970年12月に62歳で亡くなりました。生前は神学者としては孤立無援でした。
でも、今は違います。
今では、オランダでは20世紀の「三大」神学者の一人と呼ばれています。
「炎上」や孤立を恐れず、真理を追い求め、揺るがなかったからではないか。
ぼくはこういう人を尊敬します。オランダにかぶれているのではありません。