2013年6月11日火曜日

ファン・ルーラーを尊敬する理由

「新約聖書は旧約聖書の巻末語句小辞典にすぎない」

「終末においてイエス・キリストは受肉を解消する」

「共産主義はキリスト教よりもブルジョア的である」

どれも60年くらい前(1950年代~60年代)のファン・ルーラーの発言です。

失言や軽口やジョークではありません。

用意周到に、神学的に徹底的な熟考を経たうえで語られたものでした。

しかし、当時はずいぶん叩かれたようです。

まあ、仕方ないですね。

彼はもちろんこれらのことを意図があって言っています。

ある特定の言説に対する明確な批判をこめて、これらの命題を主張しました。

60年前のオランダにインターネットがあったら、

ファン・ルーラーのブログやツイッターは

しょっちゅう「炎上」していたことでしょう。

最近は「炎上ビジネス」というのもありますね。

でも、ファン・ルーラーは、その種の悪どい仕掛け人ではありませんでした。

1970年12月に62歳で亡くなりました。生前は神学者としては孤立無援でした。

でも、今は違います。

今では、オランダでは20世紀の「三大」神学者の一人と呼ばれています。

「炎上」や孤立を恐れず、真理を追い求め、揺るがなかったからではないか。

ぼくはこういう人を尊敬します。オランダにかぶれているのではありません。