2017年1月29日日曜日

ヘーゲル集めの理由

ヘーゲル『エンチュクロペディー』樫山欽四郎、川原栄峰、塩屋竹男訳
岩波『ヘーゲル全集』(旧版)全33冊中14冊セットを6千円で落札した。ライバル現れず。『全集』は1冊も持っていなかったので大喜び。函が汚れている、蔵書印や書き込みがあると「難有」だそうだが、どうでもいい。新版だと古書店で全冊5~7万円で取り引きされている様子。ああまた本が増える。

哲学については完全な素人だし、読んでも分からないし、そもそも厳密な知識を求めてはいない。ただ、プラトン、アリストテレスにしろ、カント、ヘーゲルにしろ、神学の議論に必ず登場するので、彼らが何者だったのかを大雑把でも把握する必要があり、全集を入手するのが最も手っ取り早いと考えてきた。

このたび(6千円+送料で)落札できた岩波『ヘーゲル全集』(旧版)全33冊中14冊セットの内訳は、6a、6b、7、8、10、10b、12、14c、15、16a、18b、18c、19b、20a(巻)だが、大論理学(6a、6b)と宗教哲学の一部(15、16a)を獲得できたことがうれしかった。

岩波文庫や中央公論社「世界の名著」や河出書房新社「世界の大思想」などの廉価版は持っていたが、その中に大論理学と宗教哲学はない。ヘーゲルが生前に出版した精神現象学、大論理学、エンチュクロペディー(小論理学、自然哲学、精神哲学)、法の哲学(綱要)の4冊の日本語版がこのたびやっと揃う。

上記4冊以外のヘーゲルの著作は彼の死後に学生のノートなどに基づいて出版されたもので、いろいろバージョンがあるらしい。真贋の議論がややこしそうなのであまり近づきたくない。そもそもヘーゲル自身や哲学それ自体に関心があるとはいえず、「神学における哲学の位置づけ」に関心があるにすぎない。

とはいえ、ヘーゲルが「神学校の卒業生」であるという事実は、知っている人は知っているが、知らない人は知らない。牧師にはならなかったし、「神学」を標榜する体系を展開したわけでもない。しかし、ヘーゲルを理解したいと願う人が真っ先にすべきことは、ドイツ語の勉強と共に、神学の勉強だと思う。

しかし、ヘーゲルは全く理解できない。たまに興味をひかれる文章を見かけるが、正しく理解できているかどうかの確信が持てない。そんな手に負えないものをどうして買うのか自分でも分からないが、繰り返せば「神学における哲学の位置づけ」に関心を持つ者としての参考文献集めの一環であるとしておく。