2010年11月23日火曜日

改革派教義学










Leiden_3


ライデン大学本部棟。アルミニウス論争、ここに始まる。





はじめのことば


関口 康 (日本キリスト改革派松戸小金原教会牧師)


「改革派教義学」の歴史は16世紀スイスの宗教改革者ツヴィングリと共に始まりました。その後カルヴァンの手で主著『キリスト教綱要』が書かれるとまもなく、現在のフランス、ドイツ、オランダ、イギリス、スコットランド、アメリカ等の地域に「改革派教義学」の影響が及びました。もちろん今ではその影響はもっと広い地域に至っています。


しかし、歴史における「改革派教義学」はツヴィングリやカルヴァンら宗教改革期の神学の焼き直しに終わるものではありませんでした。各地域における改革派教会の独自の発展に伴い、教会の学としての「改革派教義学」も独自の発展を遂げ、それぞれの地域性が尊重される仕方で特色ある豊かな神学思想を生み出していきました。地域性尊重という要素は「改革派教義学」の特徴にもなっていきました。


最近はタイトルに「改革派的な」という形容詞を付けた教義学教本が新しく出版されることは少なくなりました。しかし、基本性格と方向性において「改革派的な」教義学は、今でも語り継がれており、その力を失っていません。


手始めに「改革派教義学 人名辞典」のデータベース作成から取りかかることにします。そのうち各神学者の論文や説教の翻訳なども掲載していきます。やがてはすべての情報が体系的に整理されることによって「改革派教義学」の全体像が見えてくることを期待しています。


しかし、私自身の関心は過去の歴史そのものにあるのではありません。目標は豊かな遺産を受け継ぐ「改革派教義学」が我々の時代の中で新しく語り直され、「我々の信仰告白」になり、現代に生きる人々に喜びと勇気をもたらす言葉になることです。


「改革派教義学」への取り組みは多くの人々によってなされてきましたが、未開拓の領域や未解決の問題は山のように残っています。とくに日本の中でこの分野に取り組んできた人々はごく少数です。また私は「日本語で神学すること」の意義に強い関心を持っています。


以上の理由から我々の作業を開始する次第です。参考までに、私が最も尊敬する神学者の一人であるヘルマン・バーフィンクの『改革派教義学』の序文を全訳しましたので、ぜひご一読ください。


2009年1月13日記す(2009年9月5日改訂)


内 容 (随時更新予定)


はじめのことば


序章 改革派教義学の「改訂」の流れ(要旨) New


01 バーフィンク略伝


02 バーフィンク文献目録


03 バーフィンク『改革派教義学』序文


付録1 改革派教義学 人名辞典


付録2 ラテン語・オランダ語対訳 神学用語辞典 New


更新記録


※「序章 改革派教義学の『改訂』の流れ(要旨)」をアップしました(2009年9月1日)。


※「バーフィンク文献目録」を新設しました(2009年8月16日)。