2009年9月25日金曜日

『ファン・ルーラー著作集』刊行の背景と目的

アーノルト・アルベルト・ファン・ルーラーは20世紀において最も強い影響力を持ったオランダのプロテスタント神学者の一人である。彼の名前はしばしばK. H. ミスコッテとO. ノールドマンスと共に一息で並び称されてきた。しかしこの二人とは異なり、ファン・ルーラーの文書遺産はまだ十分には公開されていない。その状況を変えようではないか、そのために学術的責任を負いうる新しい『ファン・ルーラー著作集』を出版するために努力しようではないかと提案されたのは世紀の変わり目の頃である。それ以後数年の間、その思いがプロテスタント神学者たちの中に行き巡っていた。オランダ神学学術研究院の委嘱に基づいて実施された予備調査の結果、これは真の大事業になっていくに違いないが、まさに骨を折る価値のある事業であるということが明らかになった。非常に多くの未発表文書や研究途上の資料断片がユトレヒト大学図書館のファン・ルーラー文庫の中で眠ったままである!すでに公刊されてきたものとは別の大量のテキストがざくざく掘り出されている。



2005年春、この大規模な事業に着手することが決定された。この新しい著作集のねらいはファン・ルーラーの手で執筆されたすべての文書を収録しうるものではないが、全体としてみれば結局、数千ページに及ぶテキストを何巻かに分けて公刊することになるだろう。テキストは主題ごとに時系列的に並べられる。そのようにしてファン・ルーラーの思想のあらゆる主題がいかなる仕方で年代的に発展を遂げて行ったかを明らかにしていく。オランダ神学学術研究院がブーケンセントルム出版社との提携によって進めてきた本事業は先般開学されたオランダプロテスタント神学大学に継承された。われわれが願っていることは、この事業が多くの人々にとって、ファン・ルーラーの神学思想を鋭く見極め、それによって真の豊かさを得るための刺激でありたいということである。



定評あるファン・ルーラーの「聖書黙想集」の再版は、この事業とは別に各巻ごとに行う。この事業の一環として聖書黙想集シリーズの予約注文ができるパンフレットを発行する。さらに、関連事業としてニュースレターの発行や研究会開催案内なども行う。