2017年7月28日金曜日

神学は嫉妬心が強い


たまに見せびらかしたくなる岩波文庫コレクション(現在299冊)。4段目前列はサイボーグ009(豪華版、サンデーコミックス版、メディアファクトリー版、文庫版、コンビニコミックス版)。後列にプラトン全集、アリストテレス全集、ヘーゲル全集、ジンメル著作集、トレルチ著作集、聖書注解など。


見せびらかしたくないカオスな本棚はこちら。テルトゥリアヌス、オリゲネス、アウグスティヌス、アクィナス、リュースブルク、ルター、カルヴァン、ウェスレー、バルト、ボンヘッファー、カイパー、バーフィンク、ベルカウワー、ファン・ルーラー、モルトマン、パネンベルク、ゼレ他。どなたも後列に。

神学でも競争が激しいテーマはある。各教団の創設者ないし中興の祖の主要思想を扱う場合。各教団にとっての事実上の死活事項(articulus stantis et cadentis ecclesiae)を扱う場合。しかもそれを論者自身もその教団の継承者として自己を位置付けて扱う場合。

デキル人はそこをとことんやるべきだと私なんかはいつも思っている。やる人はやっているが。アウグスティヌス、アクィナス、ルター、カルヴァン、ウェスレー、バルト、ボンヘッファー。研究会や学会は日本にもある。競争が激しいのは仕方ない。語弊を恐れながら言えば、すきまや周辺でなくど真ん中を。

おそらく神学は最終的には評論家を嫌うのだと思う。ハスに構えて遠くからあれこれ論評してくる存在から神学もまた距離を置く。自らを「担ってくれる」存在に神学は憑依し、宿る。神学は嫉妬心が強い。「ルターになってくれる人」「カルヴァンになってくれる人」「バルトになってくれる人」を募集する。

せっかくデキルのに、やればデキそうなのに「ど真ん中」をやろうとしない人を何人か知っている。もったいないと思う。もちろん人それぞれの生き方だ。選択の自由はある。でも、あなたにしか座れない操縦席があるよ、あなたしか動かせないロボがあるよと言いたくなる。逃げちゃだめだ逃げちゃだめだと。