2008年12月9日火曜日

ヒルファーサム Hilversum

■ ヒルファーサム



ヒルファーサムは、ファン・ルーラーが牧師として働いた教会がある町です。しかし我々は、それがヒルファーサムのどの教会なのかを特定できずにいました。それでとりあえず、その町で最も古く最も大きな教会である「大教会」(Grote Kerk)に行きました。



しかしそれが本当にファン・ルーラーが牧会した教会であるかどうかに確信が持てませんでした。「これかなあ?たぶんこれだよねえ。でも、分からないねえ。これだってことにしておこうか?(苦笑)」とか言いながら建物の周囲を二人でうろついていたところ、教会前に駐車していた自動車から出てきた若い男性が我々に気づいて声をかけてくださいました。それがなんと「大教会」の牧師でした!(ただし「パートタイムの」牧師であるとのこと。その方曰く、現在「大教会」は主任牧師がおらず、探しているとのことでした。)



これはラッキーと、その先生にこの教会とファン・ルーラーの関係を質問したところ、「それはこの教会ではなく、別の教会です」と教えてくださいました。そして「じつは今から30分くらい子どもたちにカテキズムを教えなければならないので、もし終わるまで待ってくださるなら、自動車でその教会まで連れて行ってあげますよ。ちょっと遠いので、徒歩で行くのは無理だと思いますので」と言ってくださいました。驚くやら喜ぶやら。二人で小躍りしました。



教会の一室に通していただいて待つこと30分。その先生が我々のところに戻ってこられ、「子どもたちが日本からのお客さんに興味を持っているので、会ってもらえませんでしょうか」とのこと。これまた大喜びで了解しました。カテキズム教室に集まっていたのは10名ほどの中学生でした。男の子も女の子もいました。我々を興味津々の目で見つめ、「日本にはどれくらいクリスチャンがいるのか。多いのか少ないのか」とか「あなたたちはこれから牧師になるのか、それともすでに牧師なのか」など質問攻めに会いました。



子どもたちと別れる前に、その牧師がオランダ語でお祈りしてくださいました。最後に私が「皆さんは教会が好きですか」と尋ねたところ、一人の女の子がニコニコしながら「ハイ!」と大きな声で答えてくれました。



その後、先生の自動車で目的の教会(Hilversum Diependaarse Kerk)に移動しました。移動中も突然の訪問客に対してとにかく親切に何でも教えてくださいました。曰く、「大教会」(Grote Kerk)とファン・ルーラーが働いていた「ディーペンダール教会」は、同じオランダプロテスタント教会(Protestantse Kerk in Nederlands)に属しているものの、前者がConfesioneel(信仰告白派)という正統的なグループに属しているのに対して、後者はリベラルである。しかし、ファン・ルーラーは「大教会」のほうでも説教していた。ファン・ルーラーは、教会員から「説教が難しすぎてついて行けない」と批判されていた。私(その先生)はファン・ルーラーを偉大な神学者であると思っている、などなど。「現在ヒルファーサムには、いくつくらいの教会(プロテスタントとカトリックとを合わせて)がありますか?」という私の質問に対しては、少し考えて「20くらいですね」と答えてくださいました。その後、その先生はヒルファーサム駅まで我々を送ってくださいました。



石原先生とも明日に備えてヒルファーサム駅でお別れ。時刻はすでに午後6時。あたりは真っ暗でした。