2009年2月8日日曜日

丸山眞男を読んだことがない

私の交友関係によるところも大きいのですが、「私は丸山眞男の本を読んだことがない」という言葉を語ることに、つい最近までかなりの躊躇や抵抗がありました。人前でカミングアウトできずに来ました。しかし。



あはは、実は私、丸山氏の本を全く読んだことがありません。買ったこともありません。本を手に取って頁をめくったことくらいはありますが、3ページも、いや、2ページも読んだことがありません。



「嫌いなのか」と問われたら「別に嫌いではない」とたぶん答えますが、現時点では「ほとんど関心がない」としか答えられません。



理由は自分でも分かりません。難しい本ならけっこう読んできたほうだと思っています。最近はオランダ語の本を読むことがあまり苦にならなくなりました。日本語の本もわりと読んでいるつもりです。



しかし「丸山眞男を読んだことがない」。やっとこういうことを口に出して言えるようになったことを(その際おそらく私は「何かの呪縛から解放される」というプロセスを通り抜けているはずです)私の神に感謝しています。



解放のきっかけは、親友である(と私は思っている、ちょっと年上の)大学教員の言葉です。「ぼくはジャック・デリダを読んだことがない。」



ああ、こんなふうに言える文化系の知識人に会ってみたかったのだと、そのとき感じました。ちなみに私は、デリダのほうは20年くらい前から、関心をもって読んできました。