2008年3月28日金曜日

それにしても翻訳は難しい!(5/5)

再び翻訳の話に戻ります。私は後者(訳例 2)ですっかり満足しているというわけでもありません。前者(訳例 1)には利点もあります。ファン・ルーラーは明らかに、「聖餐式」と「家庭の食卓」、「教会の礼拝」と「芸術」、「魂の救い」と「日々の雑事」を対比的にとらえているからです。それは「教会の内(intra)と外(extra)」の対比であると言ってよいでしょう。ファン・ルーラーがこの対比を行っているということを明確に表現できるのは前者(訳例 1)のほうかもしれません。ああ、翻訳とはなんと難しいものなのでしょうか!しかし、「だからこそ」です。そう、翻訳は「難しいからこそ面白い」のです!「翻訳」にはそれに取り組む者たちの想像力を著しく刺激し、膨らませていくものがあります。日々の雑事に追われて翻訳に取り組めないでいると、私の頭は、一種の“脳死状態”に陥っているのではないかと感じるほどポケーとしてしまいます。