2016年12月18日日曜日

2013年3月の研究発表のレジュメを公開しました

(左から 田上雅徳 芳賀力 野村信 関口康)
2013年3月11日(月)立教大学池袋キャンパスで開催したアジアカルヴァン学会・日本カルヴァン研究会合同講演会での研究発表のレジュメを公開しました。

「ファン・ルーラーの三位一体論的神学における創造論の意義(2013年)」

当日のプログラム

司会
田上雅徳(慶應義塾大学教授)

「カルヴァンの創造論の歴史的意義」
芳賀 力(東京神学大学教授)

「モーセの異邦人伝道(カルヴァンの創世記理解)」
野村 信(東北学院大学教授)

「ファン・ルーラーの三位一体論的神学における創造論の意義」
関口 康(ファン・ルーラー研究会代表)

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「ファン・ルーラーの三位一体論的神学における創造論の意義」(2013年)

関口 康



事前に芳賀力先生と野村信先生の講演レジュメを読ませていただく機会を得た。何を語るべきか考えあぐねていたが、ようやく心が定まった。

カルヴァンの学会でファン・ルーラーの神学についての研究発表をすることは「欄外注」以上ではありえない。問題は、カルヴァン学会の関心とファン・ルーラーの神学の接合点はどこにあるのかということであった。

しかし、芳賀先生は「カルヴァンの中にあった被造世界の肯定という萌芽はやがて一般恩恵論という形で大規模に開花することになる」という重要な命題を提示してくださった。そして一般恩恵論の弱点を克服する鍵は「三位一体論的創造理解」にあることを示唆してくださった。

また、野村信先生は、被造世界についてカルヴァンが、必ずしも明瞭に神の栄光を見ることはできないが、それをおぼろげには映していると見ていたことを「カルヴァンの自然神学」という言葉で表現してくださった。そしてカルヴァンが被造世界を「神の栄光の劇場」(theatrum gloriae Dei)として肯定的に見ていたことを紹介してくださった。

これらの問題についてファン・ルーラーはどのように考えていたのだろうか。この問いに光を当てることで「欄外注」の務めに仕えることにした。そのうえで表題に掲げたとおり、ファン・ルーラーの三位一体論的神学における創造論の意義を明らかにしてみたい。

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