2016年11月28日月曜日

人生を強く生き抜くためにコネが大事です

自分は観ていないテレビ番組のパクリで申し訳ないが、NHK「ニッポンのジレンマ」をご覧になった方によれば「5つのコミュニティを持つと心が安定しやすい」そうだ。今の私の心のよりどころといえば家族(うち)、教会(宗教)、学校(職場)、学会(勉強)、SNS(発散)。おお、ちょうど5つだ。

説明が必要かもしれないのは「学会」。日本基督教学会とアジア・カルヴァン学会に所属。後者の世話人でもある。グループビデオ通話を利用したカール・バルト研究会は申し訳ないことに今の職場になってから休眠状態。そのうち再開したい。あとは青野太潮先生の本の読書会(十字架の神学研究会)に参加。

アジア・カルヴァン学会との出会いは2006年。翌2007年8月開催予定「第10回アジア・カルヴァン学会日本大会」(東京代々木・国立オリンピック記念青少年総合センター)の準備委員会の末席に加えていただいた。私を選んでいただけた理由は「ネットおたく認定」であったとしか言いようがない。

1999年2月にわずか4人で立ち上げたメーリングリスト「ファン・ルーラー研究会」の登録者が、5年後の2004年までに100人を超えた。オランダの組織神学者ファン・ルーラーの著書を翻訳して議論していただけだが、インターネットを始めたばかりの人が多くて、それなりに面白がってもらえた。

「ファン・ルーラー研究会」のメーリングリストにアジア・カルヴァン学会の方々が加わってくださった。こういうことは自分で言わないほうがよさそうだが、「こいつは使えそうだ」と思っていただけたようだ。「第10回アジア・カルヴァン学会日本大会」の準備委員会で書記(ネット担当)を任された。

「第10回アジア・カルヴァン学会日本大会」の準備委員会が組織された2006年に、同準備委員会と同じメンバーによる「アジア・カルヴァン学会日本支部」が「第1回講演会」を開催した。会場は日本基督教団銀座教会(東京都中央区銀座)。講師は明治学院大学元学長のカルヴァン研究者、森井眞先生。

私にとって「アジア・カルヴァン学会」と出会った2006年は「学会」なるものへの人生初コミットの年だった。高校からストレートで入学した神学大学の大学院を卒業した1990年から2006年までの16年は地方教会の牧師の仕事だけしていた人間は、「学会」とも「学問」とも無縁の生活をしていた。

ただ、上述どおり、1990年から2006年までの16年間の地方教会の牧師生活の中で、1999年から始めたメーリングリスト「ファン・ルーラー研究会」が「学会」なるものとの接点を生み出してくれた。臆面なく書けば、インターネットが「知の巨人たち」と田舎牧師の出会いの場を創出してくれた。

2009年「カルヴァン生誕500周年記念集会」(会場東京神学大学)実行委員に加えていただいたのも、同年『新たな一歩を カルヴァン生誕500年記念論集』(キリスト新聞社)への寄稿も、同年10月号『福音と世界』(新教出版社)のカルヴァン500年記念鼎談への参加も同学会のおかげだった。

まだある。慶應義塾大学『三色旗』2009年10月号にファン・ルーラーを紹介する小論を書かせていただいたのも、2013年と2014年の2年連続で立教大学全学共通カリキュラムでファン・ルーラーを紹介するゲスト講義をさせていただいたのも、アジア・カルヴァン学会で得た知己のおかげだった。

2013年6月23日、立教大学の全学共通カリキュラム「キリスト教の歩み」のゲストスピーカーとして教壇に立った私(写真)は、約170人の学生さんに向かって確かにこう言った。「人生を強く生き抜くためにコネが大事です」。微妙な笑いで応じてくださった当時の学生さんたちに今でも心から感謝している。