2009年8月27日木曜日

太宰先生ありがとう

柄にもなく今日は、日暮れ時から太宰治なる巨人にのめりこんでいます。今はまだ読んでいる最中ですが、最晩年に書かれた「叙是我聞」(にょぜがもん、1948年)です。初めて読んでいます。内容の紹介は割愛しますが、面白くて面白くて。「これだ!」と感動しています。



先輩文学者を批判する言葉の激しさに引き込まれます。その激しさたるや、これに腹を立てた人によって実は暗○でもされたのではないかしらんと邪推したくなるほどです。



私もかねがね、これに太宰が書いているのと同じくらいの調子で、ある人々を批判したいと願ってきましたので参考になります。なかなか書き言葉にならないことと、勇気がないことで、その批判をまとめて公表することができずに来ましたが、太宰の文章を読んで批判文書というのはこういうふうに書けばいいのだと得心させられています。



太宰がほとんど憎悪の対象と思っているらしい人の姿が、私が長年問題を感じてきた人々の姿と、さまざまな点で符号します。歴史は繰り返しませんが、人間は同じ過ちを何度でも犯すということを確信します。



太宰先生、これを遺してくれたことを感謝し、尊敬します。半年ほど前にヤフオクで『太宰治全集』(筑摩全集類聚)を安く落札したまま放置していました。もうちょっとちゃんと読みますので許してください。