2013年3月13日水曜日
中学校の卒業式で祝辞を述べました
中学校の卒業式で以下の祝辞を述べました。
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3年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。PTAを代表して心からお祝いを申し上げます。
3年生のみなさんも、3年間いろいろ大変だったと思います。でも、先生たちも、親たちも、大変でした。
ですから、この卒業式が終わったら、先生たちとお父さんやお母さんに「3年間、ありがとうございました」とお礼を言ってください。
とくに親たちは、3年間大変だっただけではなく、15年間がんばってみなさんを育ててきたのですから、15年分のありがとうを、今日言ってくれてもいいです。
昨日読んでいた姜尚中(かんさんじゅん)先生の『悩む力』(集英社新書、2008年)という本の中に、ちょっと難しい言葉なのですが、「自我というものは他者との関係の中でしか成立しない。人とのつながりの中でしか、『私』というものはありえないのです」(38ページ)と書かれていました。
簡単に言えば、わたしたちはひとりで生きているわけではない、ということです。多くの人たちとの関係の中にいる、ということです。そして、多くの人たちとの関係の中にいることが分かるときに初めて、自分はどういう人間なのかが分かる、ということです。
もちろんそのことには、良い面ばかりではなく、嫌な面もあると思います。わたしたちは独りで生きているのではない。多くの人たちとの関係の中にいる。そのときに必ず問題になることは、お互いに比べ合うことです。比較であり、競争です。競争で負けてしまったときは、悔しいし、悲しい。
でも、そこであきらめないでください。努力を続けてください。みなさんを応援してくれる人は必ずいます。いろいろと助けてくれます。
独りにならないでください。孤立しないでください。一緒に生きている家族や友達や先生を大切にしてください。みなさんがイライラしてコワい顔をしているときは、周りの人もなかなか近づくことができません。みなさんがニコニコしていれば、みなさんの周りに自然と信頼の輪ができてきます。
2年前の今ごろは、これから日本はどうなっていくのかとみんな心配していました。3月11日の地震発生のとき、3年生のみなさんはまだ学校の校舎内にいましたよね。怖かったでしょう。泣きながら走って家に帰った子もいました。その後の2年間は、不安だらけの毎日だったと思います。
あの日に被災して亡くなった中学生たちが大勢います。その方々のことを忘れてはなりません。本当に残念なことでした。でも、みなさんは、まがりなりにも、今日の卒業式を迎えることができました。
不安が多い時代だからこそ、孤立しないで、希望をもって、みんなで力を合わせて、生きて行こうではありませんか。
ご父兄の皆さま、ご卒業おめでとうございます。
先生方、3年間、ご指導いただき、ありがとうございました。
御来賓の皆さま、地域の皆さま、ご列席いただき、本当にありがとうございました。
平成25年3月13日
松戸市立栗ケ沢中学校PTA会長 関口 康