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ファン・ルーラー『著作集』(Verzameld Werk)第4A巻(2011年) |
【ファン・ルーラーの予定論ノート(1941年)を読んでいる】
いま続けている日本基督教団信仰告白に基づく教理説教。次回は「神の恵み」。恵みの選びの教理、予定論。ファン・ルーラーの1941年の予定論が『著作集』4a巻(2011年)で世界初公開。オリジナルは全495頁の手書きノート。『著作集』で全250頁(本文184頁+校註66頁)。待望の一冊。それを読んでいる。
1941年といえば太平洋戦争の始まりの年。当時ファン・ルーラーはヒルファーサム教会牧師。ユトレヒト大学神学部教授になるのは1947年。同年、神学博士号請求論文提出。教会の牧師として働きながら博士論文を書き、予定論の巨大なノートを書きためていたことになる。そのノートをいま読むことができる。
ファン・ルーラーの予定論を私の説教にただちに反映できるかどうかは分からない。一方のカイパーとバーフィンクの「新カルヴァン主義」予定論と、他方のバルトの予定論の緊張関係が意識されている点はベルカウワーの予定論と共通している。予定論は私にとって最大の神学的関心事なので慎重でありたい。
余計なことかもしれないが、「予定論」を2、3行の文章で批判し、悪いほうのラベルを貼って片づける人たちが少なからずいる。そんな簡単な話ではないと思うが、その傾向は止まらない。なんとかしなければと長年頭を抱えて来たが、ファン・ルーラーの巨大な予定論を読めるようになったのは良い知らせ。