ぼくはAKBのことは嫌いではなくて、ていうか、実はかなり好きなほうなんですけど、カメラをかなり引いて全員が写っていて、みんなのダンスが揃っているのを見るのが好きなんです。チアガールを見てる感じ、ですかね。
そのなかで見れば、たしかに前田さんはいつも笑顔でしたから光ってました。だけど、それは全体の中の一人だから光っていたのであって、単独でどアップで写しても、それは別に普通の女の子ですよね、とぼくは思っています。普通であることが悪いわけでもない。
AKBの魅力がもしあるとしたら、パウル・ティリッヒの『存在への勇気』の言葉をいきなり持ち出せば、「全体の部分となる勇気」(A courage to become a part)を一人一人がわりと強く持っていて、厳しい練習を耐え抜いて、ダンスをピタッと合わせる、みたいなことではないでしょうか。
その意味では、ぼくは前田さんを「尊敬」はしてます。「よくがんばったね」と言ってあげたくもなる。前田さんはぼくの子どもくらいの年齢なんでね、親心というやつです。
だけど「キリストを超えた」とは言わないし、思わないです。