仙台や福島への物資の輸送に奔走してくださっているアメリカ人宣教師たちの腰の軽さにはもちろん感謝もしていますが、本国教会から退避命令が出たため帰国せざるをえなかった宣教師もいます。ただちに現地に駆けつけた人たちは勇敢で、行かない者たちは臆病、という図式が描かれることを私は恐れています。
民放各局が「東日本大震災」と括って事実上もっぱら東北地方に視聴者の目を向けようとしている中で、ひとりNHKだけは「東北関東大震災」と括ることで「関東」も十分な意味で被災地であることを訴え続けてくれているのは有難いことです。
関心や実際の支援に優先順位が生じることは致し方ないとしても、そもそも関心そのものが向けられないとか、「あの大変な方々と比べたらお前らは大したことないだろ」的に扱われたりするのは、とても寂しいことです。
泉谷しげる氏が「報道は映像災害コンテストをやるな!」と吠えたことを知りました。毒ありすぎとは思いましたが、この方の炯眼にちょっと感動しました。
実際、関東全域はいつ停電になるか分からないし、東京湾岸地区は液状化や地盤沈下がひどいし、茨城は断水が続いているし、松戸あたりまでガソリンは無いし、交通機関は麻痺し、日用品や日常食(パン、牛乳など)さえ入手困難です。弱音など吐きたくありませんが、動きたくてもまともに動けないんです。
うちの場合、教会と牧師館が別々で(向かい合っていますが)、教会のほうにはテレビが無いので、余震と原発事故と放射線量の情報を得るために、ほとんど牧師館に引きこもり、テレビとパソコンを睨んでいるしかない状況で、ひたすら歯がゆいかぎりです。イライライライライライラ(激怒)。
ちばテレビで連日のように新浦安や稲毛周辺の「銭湯情報」が流れている状況なんですよ、今まさに。ACの「ポポポポーン」も発狂しそうなくらい聞いたので(集中豪雨と呼ばれているそうですね)、ここ数日はなるべくNHKかちばテレビを見ることにしています。
というわけで、ここ数日ほど愛する妻子から冷たい目で見られたことは、いまだかつてないと思うくらいの悲惨な状況です。「牧師って、こういうときに、家に引きこもってテレビとパソコン見る仕事なの?」とか言われ。「ち、ちがうんだよー!」と叫べば叫ぶほど泥沼にはまり。
原発の心配があったので後ろ向きのことばかり書いてしまったことを、お許しください。東北地方の教会と地域社会が一日も早く復興しますように、そのためにボランティアの方々の働きが祝福されますように、お祈りしています。
状況がなかなか整わず自分の持ち場を離れることができないゆえに現地に行けずにいることを苦にしている人は(私を含めて)たくさんいると思いますが、それぞれが「今、自分にできることは何か」を考えていますので、その気持ちは分かってほしいと願っています。