2010年9月18日土曜日

マンガに描けないマンガ

そもそも私は、マンガはおろか、絵というものを上手く描くことができない人間なのですが、最近見た場面に内心爆笑し、「これはマンガだ」と心の中でつぶやくも、「これをマンガ家たちはどういう絵に描くのだろう」と思い、私にできないことができるマンガ家はエライという結論に至りました。



それは、今週火曜日、神戸から東京に向かう新幹線の中での一コマでした。



私の席の通路を挟んで斜め前に座った、身長は180センチほどもある20代か30代くらいの男の子が、座るなり机を引き出し、その上にドン!ドン!ドン!と置いたのは、「21世紀の三種の神器」(と呼ばれているかどうかは知りませんが)として名高い(かどうか分かりませんが)、いかにも高価そうな、いずれも黒塗りのアイパッド(i Pad)とアイフォン(i Phone)とディーエス(DS)でした。



そこまでは、まあ、いいのですが(どうぞご自由に)、アイフォンは車内なので使えないようで最後まで机の上に置いたままでしたが、アイパッドとディーエスは、頻繁に持ち替えては交互に使っておられるのですが、どうみても彼の後ろに座っているみんなの前での「見て見て感」が見え見えで、やたら高く掲げて操作している様子が、まず笑えました。



しかし、それよりも(声を出さずに)爆笑したのは、彼がアイパッドを操作しながら真剣に見ていたものが見えてしまったときです。それを私は、見ようとして見たわけでは決してなく、いかにも「見て見て」的に(親指と人差し指を広げて操作するあのアイパッド的な方法で)わざわざ大きく拡大して見せるので、思わず見えてしまったのですが。



彼が見ていたのは(私はすぐ分かりましたが)いわゆる「キターAA集」というサイトで、「キタ━(゚∀゚)━!!!!!」とか「キタ Y⌒Y⌒(。A。)!!!」とか、こういう感じの字のような・絵のような文字サンプルがたくさん紹介されているサイトでした。彼はそのサイトを一時間くらい見続けていました。



そして彼は、そのこと(アイパッドで「キターAA集」を見ること)を一方でしながら、同時に他方でディーエス(DS)でファイティングゲームをしていたのですが、彼はそのゲームにすぐに負けるんです(笑)。私が右を向いて左を向くと、画面に大きく「GAME OVER」と書かれているというくらいに早く負ける(笑)。しかし、それを彼は、ほとんど無表情で、真剣そうに続けているんです。



これまで私は「いまどきの若い人は」というようなジジくさい言葉は一切口にしないで生きてきたつもりですが、今回ばかりは流石に参りました。