オンラインストレージに不安や恐怖や気色悪さを感じる私は、ブログにも同じことを感じてきたということを隠しておくことができません。そもそもブログも広い意味での「クラウドコンピューティング」の一つと考えるべきなのでしょう。
両者の共通点は、自分の原稿の「最新版」が自分の手元のパソコンのほうではなく、他人のコンピュータ(データセンター)にあることです。私の手元のパソコンの中にある原稿は「コピー」です。そして、他人の手にオリジナル版を預けることになる。これは、オンラインストレージ提供会社に全幅の信頼を置くこと、いや、絶対的な忠誠を誓ってでもなければ、私には不可能なことです。
それは、ブログを始めたばかりの最初の頃は、そこまで思いが及ばなかったことです。実は最近、気づきました。頭の回転が悪い証拠です。
そしてブログの場合、私のやり方としてはウェブ上の書き込み欄にいきなり文章を書きますので、その文章の「最新版」(過去に書いた記事のすべて)をワープロ版やPDF版にする場合は、その作業はブログ版の公開の後からしますので、手間がかかり、一苦労です。
そういうことが5年、10年と続いていくとどうなるか。私はブログとオンラインストレージを提供してくれているプロバイダ会社に半永久的に支払い続けることになります。その会社に不満を感じはじめても(料金が高いなど)、途中でやめたり、引き返したりすることが容易ではありません。他のもっとサービスのよい会社に乗り換えたいと思っても(実際いまはそういう気持ちなのですが)、5年、10年かけて作り上げたブログを、また一からアップしなおすことを想像すると、ぞっとして諦め気分に陥ります。
こんなにひどいことになるくらいなら、ブログなど始めるんじゃなかった。ブログの気色悪さと比べると、オンラインストレージのほうがましかもしれないと思うくらいです。