2009年1月6日火曜日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。



多くの方々から年賀状をいただくことができました。返信まもなく届くと思いますのでご笑覧いただけますとうれしいです。



新年より、ヨハネによる福音書の連続講解説教を開始いたしました。さっそく昨日の説教をブログにアップしておきました。これもよろしければご一読くださいますようお願いいたします。



今週の説教
http://sermon.reformed.jp/



この謎に満ちた「第四福音書」の釈義に際して特に考慮していきたいと願っていることは、この書物における「グノーシス主義との対決」というモチーフです。この見方は聖書学に明るい方々にとっては御承知のとおり、C. K. バレット(英国ダラム大学名誉教授)著『ヨハネによる福音書注解』(C. K. Barrett, The Gospel according to St. John. An Introduction with Commentary and Notes on the Greek Text. The Westminster Press-Philadelphia, Second Edition, 1978.)から学びうることです。



「第四福音書」と「グノーシス主義」の関係についての現代神学における諸議論の流れの概略については、G. R. Beasley-Murray, John, Word Biblical Commentary 36, Word Books-Waco, Texas, 1987, p. lv-lviにまとめられています。



両者の密接な関係を前世紀において最も声を大にして語ったのは、ブルトマン学派です。彼らの見方には説得力があります。しかし、ブルトマン流の様式史的研究の線をおしすすめていくと、この福音書がまるでグノーシス主義のテキストであったかのようになってしまう。



それに対してバレットが主張したことは、両者のポジティヴな関係を認めつつも、「第四福音書」の著者ヨハネはグノーシス主義のヴォキャブラリを「キリスト教的に翻訳しなおして」用いただけであり、そうすることによってヨハネは「グノーシス主義が発した問いへの最も完全な答えを与えた」のであり、そのようにして「自分の武器を用いてグノーシス主義を打ち負かした」のだということです(C. K. Barrett, Idem, p. 134.)



「グノーシス主義との対決」、この件で私の念頭にあるのはファン・ルーラー神学の基本モチーフです!私にとってヨハネによる福音書との取り組みの意図は、神学的構造的にいえば、バレットとファン・ルーラーのコラボレーションから見えてくるパースペクティヴに立って「第四福音書」を読むときに現代社会に生きる人々に向かって語りうるメッセージは何かというあたりにあります。



まあしかし、ややこしく言えばこんな感じになりますが、説教そのものをことさらに難しくするつもりはなく、できるだけ平易にみんなが元気になれるような言葉を語っていきたいと願っています。



ファン・ルーラーの翻訳のほうもコツコツと続けております。そのうち公開できると思います。オランダ旅行記も続きを書かねばなりません。応援していただけますと幸いです。