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『足立梅田教会の歩み』(1989年)25頁 |
【ハイデルベルク信仰問答】
書棚の整理が苦手でないタイプでもあり、足立梅田教会に赴任して早々、かなりランダムに並べられていた教会の書棚をジャンル別に分類しながら置き直した。そのとき、まとまった数の「ハイデルベルク信仰問答」(竹森満佐一訳)があるのに気づき、何代目の牧師の頃に取り組んだのだろうと興味を持った。
気づいたのが赴任直後で、事実を明らかにできるほどの情報をまだ持っていなかったので、それ以上のことを考えようとしなかった。今月9月7日(日)教会創立72周年記念礼拝の説教準備のために読み直した創立36周年の出版物『足立梅田教会の歩み』(1989年)に事実が明記されていることに初めて気づいた。
以下は当教会初代牧師の藤村靖一先生の文章。「なお、37年(※「1962年」)の9月30日の礼拝から、礼拝の中に『ハイデルベルク信仰問答』を共に読み勉強してゆくプログラムを入れまして」(同上書25頁)。1962(S37)年は、1953年開設「美竹教会梅田伝道所」が「足立梅田教会」として独立した年である。
やっと分かった。足立梅田教会がハイデルベルク信仰問答を礼拝の中で読み学んだのは「初めから」であり、初代の藤村牧師による取り組みだった。これは感謝しかない。私が日本キリスト改革派教会にいたころ働いた2つの教会(山梨、松戸)はどちらも元CRC伝道所でハイデルベルク信仰問答が土台にあった。
「CRC」はChristian Reformed Churchの略。オランダ系と言われる北米拠点の改革派教会。ハイデルベルクはドイツだが、この信仰問答が強い影響を与えたのはオランダの教会。日本キリスト改革派教会の「東部中会」と「東関東中会」の多くの教会が元CRC伝道所。ハイデルベルク信仰問答を学ぶ伝統を持つ。
私も実際にしていたことだが、52主日分ある問いと答えを主日礼拝ごとに読む。読むだけの主日もあれば、解説がなされる主日もある。足立梅田教会の初代牧師がその形を目指した形跡を、ご自身の文章からうかがえる。藤村先生は主任牧師として約34年間在任。創立72周年の教会の歴史の最初の半分に当たる。
「だからどうする」は別問題。おそらくはエキュメニズムとの関係で人口に膾炙した「カルヴァンは本当は毎週聖餐式をしたかったが、周囲の圧力で年4回とせざるをえなかった」論に似ている。カルヴァンの夢を叶えてあげるべきか、それとも年4回になった事実のほうが尊いのか。私はどちらかといえば後者。
足立梅田教会の現在の教会堂は1994年に建てられたが、レンガの外壁や合理的な縦長でオールインワンの構造を最初に見たとき、2008年の初めてのオランダ旅行のときに4泊5日お世話になった、アムステルダムの国立美術館の近くのビジネスホテルに似ていると思った。礼拝形式も簡素。きわめてオランダ的。
住所間違いで返送されてきた敬老ハガキを書き直し、2日遅れで申し訳なく思いつつ、たったいま徒歩で届けてきた。教会の方々のほとんどが、徒歩か自転車で教会に来てくださる。自転車カルチャーもオランダ的。牧師(私)はニンジャ1000。今は暑すぎてヘルメットをかぶりたくなくて、徒歩か電車に逃避。