2015年2月27日金曜日

ファン・ルーラー研究はこれからの学問である

ファン・ルーラーの二種類の著作集(左半分が新しいもの)
私がファン・ルーラーについて書いた文章で、紙の雑誌に掲載されたものの最初は2002年の「今なぜファン・ルーラーか」『形成』372号である。それを含めて、今年2015年までの13年間で9つの論文がある。その中には書評の形のものもあるし、講演記録の形のものもある。翻訳は含めていない。

しかし、その9つの論文の内容は、かなり重複している。内容重複の理由は、読者層が明らかに全く異なる複数の雑誌に書かせていただいたため、雑誌ごとに事のイロハから書き起こさなければならなかったからだ。掲載誌名を拙稿の掲載順にいえば『形成』『教会』『改革派神学』『三色旗』『途上』である。

何年も前から何人かの方から、お前がファン・ルーラーについて書いた論文を一冊にまとめろと言われている。それができない理由は、いま書いた「内容の重複」である。しかし、それだけではない。2007年からオランダで刊行が始まった新しい『ファン・ルーラー著作集』が完成するのを待っているのだ。

新しい『ファン・ルーラー著作集』(A. A. van Ruler Verzameld Werk)は現在、第1巻から第4巻(第4巻のみ2分冊)まで刊行されている。これでやっと半分だ。2007年から毎年1巻ずつ8巻くらい出すという当初の予定でいえば、今頃はもう完成しているはずだった。

しかし、その刊行が途中でストップしている。これからファン・ルーラーについての単行本を出すなら、オランダの新しい『ファン・ルーラー著作集』が全巻揃ったうえで、そのすべてに目を通してからにしたい。ということを理由というか言い訳にして、私の論文をまとめて本にすることに手を付けずにいる。

その意味でも「ファン・ルーラー研究」はこれからの学問である。「まだ始まっていない」とまで言うのは先輩研究者たちに失礼だと思う。しかし、従来の研究のすべては、いずれにせよ、近未来に訪れる新しい『ファン・ルーラー著作集』完成の日以降、全面的に書き直されねばならなくなるのは確実である。

3月9日(月)13時~17時、アジア・カルヴァン学会、日本カルヴァン研究会合同開催の講演会で、私が「ファン・ルーラー研究の過去・現在・未来」という講演をさせていただきます。会場は青山学院大学です。お集まりくださいますようお願いします。

詳しくは、アジア・カルヴァン学会ブログをご覧ください。
http://calvin-research.blogspot.jp/2014/11/blog-post.html