2010年7月6日火曜日

カルヴァンからカントへ(2)

アマゾンから荷物が届きました。このたび購入したのは、以下の五冊です。



(1) Kant, Immanuel, Critique of Pure Reason(『純粋理性批判』), Trans. by J. M. D. Meiklejohn, Dover, 2003
(2) Kant, Immanuel, Critique of Practical Reason(『実践理性批判』), Trans. by T. K. Abbott, Dover, 2004
(3) Kant, Immanuel, Critique of Judgment(『判断力批判』), Trans. by J. H. Bernard, Dover, 2005
(4) Kant, Immanuel, Religion within the Boundaries of Mere Reason And Other Writings(『たんなる理性の限界内の宗教、その他』), Trans. by A. Wood and G. D. Giovanni, Cambridge University Press, 1998
(5) ヒューム『政治論集』(Political Discourses)、田中秀夫訳、京都大学学術出版会、2010年



実際に手に取ってみて初めて分かったことが、いくつかあります。



第一に、五冊とも非常に近年の出版物であったということが分かりました。最も古いのは(4)ですが、今からわずか十二年前の1998年の出版物です。ヒュームの『政治論集』に至っては先月、いや先々週(2010年6月25日!)出版されたばかりです。このヒュームの著作は、岩波文庫では『市民の国について 上・下』(小松茂夫訳)というタイトルがつけられているものと同じです。



第二に、批判書三部作の英語版が非常に安価であった理由が分かりました。要するに、これらは「復刻版」でした。(1)の初版出版年は1900年、(2)は1909年、(3)は1914年と記されていました。つまり、いずれも百年前の翻訳であり、版権切れとなっているものでした。だから安かったのです。謎が解けました。検索してみましたら、これら英語版のテキストはネット上に無料で誰でも読める状態で公開されていました。しかし私はパソコンの画面上で長たらしい文章を読むのが苦手ですし、自分でプリントするとかさばるし、あまり美しくありませんので、ペーパーバックながらきちんと製本されているDoverの復刻版はとても有難いです。