私は社会学を専門的に勉強したことがないので研究方法が分からないが、戦後から1970年代初頭までの日本の教会の日曜学校に子どもが大勢集まっていた理由を正確に知りたい。当時の「日曜学校好景気」との比較で、今の教会の「不振」がずっと責め続けられてきた。もう40年以上前のことなのに。
「あの頃の日曜学校は毎週100人以上いた(のに、今は...)」という話を何度聞かされたことか。私は40年前の「日曜学校好景気」を覚えている。忘れられるわけがない。あれほどたくさん集まっていた日曜学校と教会から、一人また一人と、去っていく人の後ろ姿を40年以上ずっと見てきたからだ。
私は牧師の子弟ではないので、牧師になる前は基本的に、日曜日と水曜日の夜の教会しか知る由もなかった。しかし、だからこそはっきり分かる面もある。40年かけて、教会と日曜学校からだんだん人がいなくなった。特定の教会の話ではない。日本国内の「社会現象」として、そういう流れがあった。
私は40年前は日曜学校の生徒だったので、来なくなった子どもたちの気持ちや理由は、わりと手にとるように分かる。塾、そろばん、習い事、町内会の野球、サッカー、学校のクラブ、部活。そしてとにかくテレビ。特撮ヒーロー、アニメ。これでもかこれでもかと日曜日に「お楽しみ」が集中する。
級友たちが日曜日を「楽しく」過ごしているのを横目で見ながら教会に行く間、しきりと考えていたことは、「何が悲しくて私は教会に行くのか」ということだった。これは後からとってつけた話ではなく当時の本心だ。だから日曜学校に来なくなった子どもたちの気持ちや理由はかなり分かっているつもりだ。
だけど、今の私が知りたいのは当時の子どもたちの気持ちの側ではない。戦後から1970年代初頭までの日本の教会の「日曜学校好景気」の正確な理由を知りたい。いやらしい言い方をお許しいただけば、政治的誘導はあったような気がする。しかし、それが無くなった。そのあたりの事情を知りたいと思う。