2017年11月15日水曜日

「亡命者の宗教改革」とカルヴァンの予定論の関係

日本語版(左)とオランダ語版(右)

オーバーマン『二つの宗教改革』第10章「カルヴァンの遺産」を毎日読んでいる。他の章も目を通したが、私の問いにあまりにも的確に答えてくれるのは第10章だ。オーバーマンほどの人が、神の選びについてのカルヴァンの教え(二重予定論)を、明確な論拠を挙げて擁護してくれていることが何より心強い。

第10章「カルヴァンの遺産」においてオーバーマンが強調しているのは、カルヴァンの宗教改革を決定づけもしかつ限界づけてもいる要因は、それが「亡命者の宗教改革の幕開け」だったという点である。そのことが神の選びについてのカルヴァンの教えと密接に関連していると、オーバーマンが主張している。

カルヴァンの宗教改革が「亡命者の宗教改革」であったことと神の選びについての彼の教えの関係をオーバーマンがどのように描いているかについては、自分の目で確かめてほしい。「神の摂理以外に我らの逃げ場なし」(Nous n'avons autre refuge qu'à sa providence)というカルヴァンの心の叫びが鍵だ。