ある教派限定の話であるが、私の目で調べたことがある。ある程度年月を経た教会で礼拝出席者が3桁以上のところは、過去のどの時点かでひとりの牧師の在任期間が長かった(30年とか40年)。牧師の在任期間が長ければ礼拝出席者が3桁以上になるという逆命題は成り立たないが、その逆に例外はなかった。
ありていに言えば「牧師が頻繁に交代する教会」で「日本において、現時点において、ある教派限定で」3桁以上の礼拝出席者(年間平均値)で満たされているところは、私の目で調べたかぎり1例もなかった。サンプルが違えばまた異なる結果が出るのかもしれないが、それ以上のことは今の私には分からない。
因果関係については、思い当たることはあるが、今は考えないでおく。良い悪いの問題を言いたいのでもない。「牧師が頻繁に交代する教会であること」が常に「悪いこと」であり、「礼拝出席者が3桁以上の教会であること」が常に「良いこと」だとは、私は思わない。立地や環境の問題を無視すべきでない。
日本のプロテスタント宣教史が一世紀半を超える。ある程度長いスパンで「過去の歴史」を見つめ、その中でどういう「現象」が起こってきたかを客観的にとらえ、分析できる状況が整いつつある。「伝道者魂」や「献身の決意と熱意」だけではとらえられない「現象」をより冷静に見つめる必要があるだろう。