二年ほど前にひとりの老練なフランス語学者から教えていただいた「真昼の悪魔」(démon de midi)という言葉は、旧約聖書(詩編91:6)を出典としながらも、そのうち聖書の原意からは離れて独り歩きし、「40代男性を襲う性的誘惑」を意味するようになったとのこと。
その方は、ぼくが「40代男性」であることを知っていて、なんだかさっぱり分かりませんが、ぼくのことを心配してこの言葉を贈ってくださったのですが、「まあ、ぼくにかぎってはその種の心配には及びませんよ」と、お答えしたものでした。
しかし、ぼく自身のことはさておき(幸いなことに昔から非モテ系なんでそういうのいまだかつて全く無いです)、同世代の人たちの(かつて親しい先輩だったり仲間だったりする人たちの)その種の話を漏れ聞くたびに、心底がっかりします。
使徒パウロの言葉を(原意どおりに)借りて言わせてもらえば、「いっそのこと切り取ってしまえ」(ガラテヤの信徒への手紙5:12)と言いたいですね。冗談じゃないですよ、マッタク。