2007年11月3日土曜日

「小金原憲法九条の会」結成三周年への祝辞

「キリスト教の立場から」―「小金原憲法九条の会」第二回例会での発言(2005年5月19日)



本日は小金原憲法九条の会が三周年をお迎えになりましたことをお慶び申し上げます。また、そのお祝いの会の会場として松戸小金原教会をお選びいただき、感謝いたします。またゲストとして松戸小金原教会の教会役員(長老と称します)でありハープ奏者である佐々木冬彦さんをお選びいただきましたことも、本当にうれしく思います。



佐々木さんの紹介をするようにと命ぜられました。しかし、佐々木さんはとても照れ屋の方なので、ここで私がいろいろ言うと、きっと困ってしまわれると思います。とにかく素晴らしい方です。佐々木さんのハープの音色をとにかく聴いてください、と申し上げておきます。私と佐々木さんは1965年(昭和40年)生まれの同い年です。この教会の牧師と長老という関係であると共に親しい友人でもあります。心から推薦させていただきます。



また講師である映画監督、池谷薫さんには、本日初めてお目にかかります。素晴らしい講演をしていただけることと期待しております。よろしくお願いいたします。



松戸小金原教会のこの建物は、ちょうど2000年に新しく建て直しました。そのとき以来、この建物を地域の方々、とくに小金原地区の方々のためにお役に立つように用いることができないかと祈り願ってきました。今日のような会、とりわけ平和のために開かれる会に用いていただけるなら、それこそわたしたちが願ってきたことです。本当にありがたいと思っています。



平和というテーマはキリスト教においても重要なテーマです。わたしは今、「キリスト教においても」と、少し遠慮がちに申しました。本当は「キリスト教においてこそ」と語りたいのです。宗教が平和を祈り求めないはずがないではありませんか!平和のために祈らないような宗教とは、いったい何なのだろうかと思います。



わたし自身は、小金原憲法九条の会のメンバーに加えていただいている者です。しかし、今日の会は教会が主催ではありません。今日、わたしたちは、宗教・思想・信条をこえて集まっています。佐々木さんが奏でる美しいハープの音色を聴きながら平和とはどのような音色であるかを想像してみていただきたいと思います。また、池谷さんの力強い御講演を伺いながら、わたしたちが求める平和とは何であるのかを改めて学び、考える会であると思います。そのような会が行われることを、教会の者たちは心から感謝しているのです。



教会の者たちが信じているイエス・キリストは、「平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」(新約聖書・マタイによる福音書5・9)とお語りになりました。これは、平和を実現するために武器をとって戦え、という意味ではありません。イエス・キリストは一度も武器をおとりになりませんでした。それどころか、どのような迫害の中にあっても、非暴力・無抵抗を貫かれました。そのことは多くの人々に知られています。教会もまた、イエス・キリストがこのような方であるからこそ、尊敬し、信仰の対象とし、この方の教えを学び、この方に従って生きていきたいと願うのです。



今日は宗教・思想・信条をこえて集まっている会です。しかし、わたしは、教会だからこそできることもある、と思っています。



それは、まさに今日、戦争に反対しない教会があり、そのようなキリスト教があるではないか、と多くの人々から思われているということを、わたしたちは知っているからです。「ヨーロッパを見てごらんなさい、アメリカを見てごらんなさい、みんな戦争しているではないですか。あの人々の背後にキリスト教があるではないですか!キリスト教こそ戦争の宗教ではないのですか」と。



教会にもできること、いや教会だからこそできることがある。それは、日本国憲法九条の改憲に反対している教会もあるのだということ、そして世界の平和を実現していくために祈りかつ働くキリスト教もあるのだということをわれわれの存在をもって証明することです!



そのような機会をわたしたち教会に与えてくださったそのことを、小金原憲法九条の会の方々に、感謝しております。



お集まりの皆様には、どうか、ごゆっくりお過ごしくださいますようお願いいたします。



(2007年11月3日、小金原憲法九条の会結成三周年記念会、於松戸小金原教会)